コーヒー豆は生鮮食品だから、冷蔵庫で保存した方がいいのかな?
お悩みの方はいらっしゃいませんか?
今回は、コーヒー豆は冷蔵庫(冷蔵)保存した方が良いのか?
実際にコーヒー豆を冷蔵保存して、味わいを検証しました。
結論としては、
コーヒー豆の冷蔵庫(冷蔵)保存は、あまりおススメしません。
食品からの臭い移りがしやすく、細心の注意を払う必要があるので大変です。
又、冷蔵保存の場合、取り出した直後&室温に戻した両方の抽出で、成分が十分に抽出されませんでした。
2週間程度で飲むなら、常温保存(なるべく涼しくて暗い場所)が適しており、1ヵ月以上保存するなら、冷凍保存がベストです。
この記事を書いた人
某カフェチェーン店の元コーヒーアドバイザーです。
妊娠のため、アドバイザー就任後、半年で退社しました。
毎日、コーヒーの勉強&研究をしていた日々を忘れられず、出産・授乳完了後にハンドドリップを再開します。
しかし、妊娠による味覚と体質変化(カフェインに弱くなる)により、3回挫折を経験しました。
現在、記事を書きながら、4回目のハンドドリップに挑戦する日々を送っています。
1番おいしく感じるのは、カフェオレです!
コーヒー豆の保存の基礎知識
コーヒー豆がデリケートなことはご存じですか?コーヒー豆は生鮮食品なので、間違った保存方法だと痛みが早くなってしまいます。
影響があって、考慮すべきものは以下となります。
コーヒー豆保存に影響があるもの
- 空気(酸素)
- 水分(湿度)
- 光(紫外線)
- 温度
コーヒーの香りは空気(酸素)に触れると失われていきます。
また、酸素に触れることで酸化が進み、後味の悪い酸味を感じるようになってしまうのです。
湿度からの影響も受けやすく、水分は大敵です。
焙煎されたコーヒー豆は水分がほぼない状態ですので、水分がある状態(湿度が高い状態)にさらされると、スポンジのように吸収してしまいます。
それによって、コーヒー豆自体の状態が悪くなります。
コーヒー豆には、美味しい成分の通り道があるのですが、水分によって塞がれて、美味しい成分が抽出しづらくなってしまうのです。
また、カビができる可能性も…。
密閉できる容器に入れて保存することが必須です。
光(紫外線)にも弱く、蛍光灯・直射日光のどちらも劣化を早めます。
特に、直射日光の影響は大きいと言えるでしょう。高温にも弱く、腐敗が進みますので、暗くて涼しい場所が保管に向いています。
涼しくて暗い場所といえば、思い浮かぶものの1つは「冷蔵庫」ではないでしょうか。
では、コーヒー豆は冷蔵庫(冷蔵)で保管するのが良いと思いますか?
色々な考えがあるかと思いますが、筆者の答えとしてはNOです。理由をみていきましょう。
コーヒー豆は冷蔵庫(冷蔵)で保管しない方が良い理由3つ
食品からの臭い移りがしやすい
コーヒー豆は臭い移りしやすい食品です。
よく、炭が脱臭に良いと聞きますよね。
コーヒー豆は焙煎されているので炭のような役割をしてしまい、他の臭いを吸収してしまうのです。
冷蔵庫はキムチ、カレーなど、強い臭いがする食品を入れる機会が多い場所です。
これらの臭いをコーヒーが吸ってしまい、味わいに影響が出てしまいます。
他の食品の臭いを吸ったコーヒーは飲みたくないなぁ。
温度変化で結露しやすい
コーヒー豆は温度変化による結露でも状態が悪くなります。
水分がコーヒ豆の保存に良くないことは前述しました。
冷蔵庫は開閉する機会が多く、温度変化により結露しやすくなります。
結露により生じた水滴がコーヒー豆に付着し、状態を悪くするのです。
特にドア付近はコーヒ豆が劣化しやすい場所となります。
又、冷蔵庫は庫内に水分がある状態ですので、冷凍庫と比べて保存環境は劣ります。
低温では、コーヒー成分が十分に抽出されない
コーヒー豆は低温だと、コーヒー豆の成分が十分に抽出されません。
しっかりと抽出する必要があり、より抽出技術(知識)が必要となります。
取り出した直後(低温)ではなく、室温に戻してから抽出すれば良いのではないかと言う意見もあるかと思います。
しかし、今度は温度変化により結露が生じてしまいます。
結露については、前述のとおりです。
コーヒー豆を冷蔵庫で保存するのは、大変だし、リスクもあるんだね。
実際に、冷蔵庫(冷蔵)した豆を抽出してみた
実際に、冷蔵庫(冷蔵)保存したコーヒー豆を抽出してみました。
冷蔵庫から出した直後&冷蔵庫から取り出して、30分放置して室温に戻した2パターンで抽出します。
2023年5月31日に開封&冷蔵し、同年6月18日に抽出しました。(3週間後)
結論としては、冷蔵庫から出した直後の豆、室温に戻した豆とも、味わいはどちらも風味が乏しかったです。
苦みさえ、あまり感じられませんでした。
口の中で、コーヒーの味は広がりません。
香りもパッとせず、インスタントコーヒーを飲んだ時の印象に近かったです。
低温または、コーヒー豆内の成分の通り道を水分が塞いでしまい、しっかり抽出できなかった可能性が高いと思います。
100均のジップロックを使ったのも良くなかったかなぁ。
でも、なるべく手軽にコーヒーを楽しみたいから、高いジップロックは使いたくなかったんだよね。
同時期に飲んでいた常温保存(キャニスター缶使用)の豆の方が風味を感じて、断然美味しいと思いました。
実験した時期は6月でしたので、多少暑さを感じる時期でしたが、明らかに常温保存の方が美味しかったです。
常温保存で使用したキャニスター缶はこちらです。
ちなみに、コーヒー豆はスタバのハウスブレンドを使用しました。
風味が極端に足りず、開封直後に強く感じた苦みさえ、あまり感じません。
スタバのハウスブレンドの味わいが気になる方は、スタバのハウスブレンドはまずい?!レビュー&美味しい淹れ方を紹介の記事をご覧ください。
又、ジップロックを開封した時、コーヒー豆の香りを嗅いでみましたが、劣化とは違う「何か他の臭いが移った」印象を受けました。
家族で使っている冷蔵庫ですので、カレー・キムチ・漬物など、においがする食品を入れていました。
なるべく離した状態で冷蔵庫に入れるように心がけましたが、家族がコーヒー豆の傍へ臭いの強い食品を入れてしまうこともありました。
冷蔵庫は家族で使っています。
そのため、思い通りにコーヒー豆を配置できず、管理が甘かったかもしれません。
しかし、管理が甘かったとはいえ、ジップロックに密閉して入れていても、簡単に臭い移りしてしまいました。
ある程度、気軽に保存できないと大変ですし、個人的にはコーヒー豆の冷蔵庫(冷蔵)の保管は難しいと感じました。
また、すぐ使うのであれば、事前に測って冷蔵保存するという手間を考えても、常温保存で十分と思います。
今回の実験していた期間(2023年5月31日~6月18日)、常温保存した同じコーヒー豆をほぼ毎日、飲んでいました。
6月18日に抽出して飲んだ冷蔵保存の豆より、断然美味しかったです。
とはいえ、豆の状態で常温保存なら、2週間程度で飲み切りましょう。
(今回の実験では、3週間でした。)
粉だと1週間が限度です。
又、夏場はより早く使い切るか、思い切って冷凍保存がおすすめです。
コーヒー豆の冷凍保存について、気になる方はこちらの記事をどうぞ。(現在、別記事を制作中です)
常温保存なら、まとめて保存できるよ。
抽出時に好きな量を使えるのは嬉しいよね。
まとめ
繰り返しになりますが、
結論としては、コーヒー豆の冷蔵庫(冷蔵)保存は、あまりおススメしません。
食品からの臭い移りがしやすく、細心の注意を払う必要があるので大変です。
又、冷蔵保存の場合、取り出した直後&室温に戻した両方の抽出で、成分が十分に抽出されませんでした。
2週間程度で飲むなら、常温保存(なるべく涼しくて暗い場所)が適しており、1ヵ月以上保存するなら、冷凍保存がベストです。
適切に保管して、美味しいコーヒーを楽しみたいですね!